【二の矢を受けず】
お釈迦さまが弟子達に尋ねられた。
「人は誰でも、美しいものに出会えば楽しいと思い、痛い目にあえば苦しいと感じるだろう。それでは、仏教を学んだ人とそうでない人との差はどこにあるだろうか?」
弟子達は教えていただきたいと懇願した。
その答えの要点は 「第二の矢を受けない」 ということだった。
「仏教を知らぬ人達は、楽しい事に出逢うとそれに執着し、『もっと欲しい』 と“貪り”の念をおこす。同様に、苦に出逢うと“瞋り”の感情にとらわれてしまう。そうして、いよいよ混乱していくのだ。けれども、仏教を学んだ人は、外界の刺激でいろいろな感覚は触発されるが、いたずらに感情を増幅させられることがない。それを、身受を受けても心受を受けず、ともいう。そこのところを、第一の矢は受けても第二の矢は受けないと表現したのだ」
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第2波とも云われる新型コロナウィルス感染拡大が続いている中、お盆が終わりました。連日、様々な情報が飛び交い、疑心暗鬼になる方もいらっしゃるかもしれません。又、お身内、ご自身が当事者となった方もいらっしゃるかもしれません。
人類は新型コロナウィルス感染症という逃れられない第一の矢を受けてしまいました。しかし、第二の矢から逃れることはできます。
このようなときだからこそ、少しでも他者を思いやり、心安らかにすごせればと思います。
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