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令和3年8月東榮寺各種活動参加者へ送付した言葉

  • 執筆者の写真: toeiji
    toeiji
  • 2021年8月1日
  • 読了時間: 2分

間もなく8月のお盆の季節となります。

 東榮寺ではお盆には地元の古くからのお檀家さんのお宅を一軒一軒廻ってお盆のお経を唱えています。

 私は中学生の頃から師匠である父について廻っていましたので四十年以上続けていることになります。

 始めの頃の記憶は、お檀家さんの家の鴨居に掛かる遺影です。白黒の多くは着物姿でしたが、珍しく思えました。中には軍服姿の写真が複数掛かっているお宅もありました。今思えば、そのお宅のご兄弟や親で戦死された方だったわけです。

 その後、自分一人で廻るようになり、祀ってある位牌の戒名をできる限り読み上げるようにしました。すると、今とは比べようもないくらい、多くの死産や子どもが亡くなっている事、また成人でお亡くなりになっている方も多いような印象を受けました。

 あらためて記録等で調べてみると、その当時の檀家数から推測される年間の檀家さんの死亡率が現在の十倍近いものであることがわかりました。時代により違いがありますが、明治、大正、昭和25年頃までは高い水準で、その後下がり始めて現在に至っています。その中でも、大正6年頃から9年頃が増えており、スペイン風邪の流行の時期と一部重なっている事がわかります。また、昭和19、20年には戦死と思われるもので増えています。

 医療の進歩と、平和をあらためて考えさせられました。


 さて、この原稿を書いているのは7月26日です。新型コロナウィルス感染症はまだまだ収まる様子はありません。医療現場では昨年より続く治療、そしてワクチンと気を抜けない日々が続いています。コロナ禍で多くの方が影響を受けています。

 長い歴史の中で、人間は助け合って、叡智をもって病を乗り越えてきた事は歴史が教えてくれています。

 先の見えない不安で時に他人を傷つけたり、配慮の無い行動をとったりしてしまうかもしれません。イラッとしたら深呼吸をしてみます。怒りにまかせた行動をとってしまったら深呼吸をしてその行動を省みましょう。もう少しです。

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